数年後,サーバーはより「ハード」な作りを要求されるだろう。今よりも膨大な数のアクセスとリクエストをこなし,より高速高機能の処理を要求される。その根幹となる64ビットCPUは,今,緻密に,緻密に,設計していかなければいけない時期なのだ。その将来に,確実に動作するために。
マイクロソフト社はIBM社に対し,64ビット版ウインドウズ2000の対象プロセッサーに,IBM社のパワー4チップを加えようと要請したようだ。現在64ビット版ウインドウズ2000の対象プロセッサーには,インテル社のアイテニアムが出荷を予定しているが,いまだ所定の処理性能を発揮できるか未知数のため,マイクロソフト社は保険として,パワー4向けウインドウズ2000の開発計画を持ちかけたとみられている。
64ビットチップにまつわる話も,だんだんと現実味を帯びてきた。インテルのアイテニアムは,理論上6ギガフロップ(1秒間に60億回の演算),4つの整数ユニットと2つの浮動小数点ユニットという2つの構造を備える。対抗するカタチのAMDは,スレッジハンマーを2001年には登場させると計画している。コンパックのアルファチップは現時点でもっとも完成度が高いと云われ,2,3年のうちに1.6GHz以上の速度での登場を予定している。そして,IBMのPower4。トランジスター集積数は1億7000万個。2基のCPUで汎用性を高め,高速なキャッシュメモリをもちいた「スマート・キャッシング技術」をパッケージする。私のような素人が話を聞いていちばん面白そうなのは,やはりPower4だ(unigram・xの記事)。
現在,IBMはマックの最上位チップのG4からは身を引いているが,それはG3チップでまだまだ大きな技術の前進を見込むことができ,それが将来的にも(すなわち64ビットチップの製造にも)役に立つと踏んでいるからだ。パワー4でも採用される見込みのSOI技術(プロセッサーにシリコン酸化物層を加えて絶縁体を作り,高速化と発熱の抑制を可能にする)は,まずG3で試され,それにより700MHzのG3チップが年内にもリリースされるという予定もある。丹念に外堀を固めていき,確実に完ぺきなチップを作り上げていく緻密さが感じられる。ウインドウズ2000の移植などに惑わされず(^_^),その緻密さを突き進んで欲しいのだがネェ。
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